人生、何があるか分からないっていうのは本当だよ。

母と二人で九州の実家に帰省した。母方の実家には現在、祖母と母の姉(叔母)が暮らしている。久しぶりの再会に会話も弾み、あっという間に時間も過ぎる。すると叔母が急に暗い顔になり、重々しく口を開いた。「あんた達に話してなかったことがあるんだけど…」私と母は顔を見合わせた。話の内容は、七年前に亡くなった祖母の姉の一人息子のことだった。(以下祖母の姉をM、一人息子をKとする)。「KちゃんはMと二人暮らしだったけど、Mが亡くなってからKちゃんは一人になったでしょ。今まではMのおかげで家の中は綺麗だったけど、今はもうダメ。テレビで見るようなゴミ屋敷よ」。それを聞いた母と私は驚いた。叔母は続ける。「Mには昔、子供が三人いたけど皆若くして亡くなってね。最後に生まれたのがKちゃんよ。だからKちゃんを大切に育ててきたんでしょうね。掃除と料理はもちろん、Kちゃんの身の回りの世話は全部Mがしてきた。Kちゃんは何も教わってなかったんだよ。今はもう最低な生活よ」叔母は携帯を取り出し、写真を見せてきた。写真にはかつてのMの、私が子供の頃に遊びに行った家。だけど部屋の面影はもうなかった。
床が見えないほどに散らばるゴミや新聞紙。綺麗だった台所はいつ使ったのか分からない食器が重ねられ、水は変色し、黒ずんだスポンジが置かれていた。仏壇があった部屋は数え切れない飲み干した空の酒パック…。ショックだった。Mが生きていたらどう思うだろう。母が言った。「Kちゃん、昔は成績優秀だったのにね。いい大学にも出たのに」。叔母によればKはMが貯めていたお金を全部使い切り、働くのもやめると、ガスも水道も止められてしまった。ある日Kは発作を起こし救急車を呼んだ。駆けつけた祖母と叔母は、初めてそこでKの現状を知ったそうだ。現在、Kは別のアパートに移され生活保護を受けているらしい。私は思った。きっとKの行く末は孤独死だろうと。これは運命だろうか。人生は何が起こるか分からない。私もこのまま独身でいれば、いずれは一人になるだろう。年金だってあるかないかも分からない。Kのような同じ道を辿るかもしれない。いや、辿りたくない。写真を見て強く思った。将来のことをよく考えて、少しずつ貯蓄をしよう。
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